目次
概要
Razer BlackWidow V3 TKL JP Yellow SwitchとLogicool G512 Carbon RGB Mechanical Gaming Keyboard (Linear)は、ゲーミングキーボード市場で広く知られる存在です。両機種はそれぞれ独自のスイッチ特性や設計思想を持ち、長時間のゲームプレイやタイピングにおいて安定した操作感を提供してきました。これらの定番モデルと比較することで、MADLIONS FIRE68-WHが持つ個性や新しい体験をより鮮明に浮かび上がらせることができます。 FIRE68-WHはコンパクトな65%クラスの68キー配列を採用し、限られたスペースでも快適に使用できる点が大きな特徴です。さらに、デザイン面ではホワイトを基調とした外観が目を引き、デスク環境に清潔感や軽快さをもたらします。従来のフルサイズやテンキーレスモデルと異なり、必要最小限のキーに絞り込むことで操作の効率化を図りつつ、持ち運びや設置の自由度を高めています。 比較対象の二機種が重厚感や安定性を重視する一方で、FIRE68-WHは軽快さと新鮮さを前面に押し出している点が際立ちます。これにより、ユーザーは従来の選択肢では得られなかった新しい使用感を体験できるでしょう。特に、ゲームと日常の両方で使いやすさを求める人にとって、FIRE68-WHは新しい可能性を示す存在となっています。実際に触ってみると「テンキーレスよりさらに一歩攻めたレイアウトってこういうことか」と感じる場面も多く、机上の窮屈さが一気に解消される印象でした。 今後の詳細比較では、打鍵感や配列の工夫、デザイン性などを掘り下げ、どのようなユーザーに適しているかを明らかにしていきます。
比較表
| 機種名 | MADLIONS FIRE68-WH | Razer BlackWidow V3 TKL JP Yellow Switch | Logicool G512 Carbon RGB Mechanical Gaming Keyboard (Linear) |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| キーボードタイプ | 65%(68キー)コンパクト | テンキーレス | フルサイズ |
| キー配列 | 英語配列(US ANSI) | 日本語配列(JIS) | 日本語配列(JIS) |
| スイッチタイプ | 磁気ホールセンサー(リニア系) | Razer Yellow メカニカル(リニア・静音) | GX Red リニア |
| キー数 | 68 | 87 | 108 |
| バックライト | RGB | RGB(Razer Chroma) | RGB(LIGHTSYNC) |
| アンチゴースト | 対応 | 対応 | 対応 |
| Nキーロールオーバー | 対応 | 対応 | 対応 |
| 接続方式 | 有線 | 有線 | 有線 |
| インターフェース | USB | USB | USB |
| ケーブルタイプ | 着脱式(USB Type-C) | 固定式 | 固定式 |
| キーキャップ素材 | PBT | ダブルショットABS | ABS |
| 本体素材 | プラスチックケース+アルミプレート | アルミ製トッププレート+プラスチックボディ | アルミ合金トップケース |
| サイズ | コンパクト(約310×100mmクラス) | テンキーレス標準 | フルサイズ標準 |
| 重量 | 約700g | 約840g | 約1100g |
| キー寿命 | 約1億回 | 約8000万回 | 約7000万回 |
| オンボードメモリ | あり | あり | あり |
| ソフトウェア対応 | 専用ソフトウェア(Webベース設定) | Razer Synapse | Logitech G HUB |
| マクロ機能 | 対応 | 対応 | 対応 |
| メディアキー | Fnキー併用 | Fnキー併用 | Fnキー併用 |
| パームレスト | なし | なし(別売オプション想定) | なし |
| カラー | ホワイト | ブラック | ブラック |
| 対応OS | Windows / macOS | Windows / macOS | Windows / macOS |
| ポーリングレート | 8000Hz | 1000Hz | 1000Hz |
| キー押下圧 | 約30g前後 | 約45g | 約50g |
| ストローク | 約3.5〜4.1mm(スイッチにより可変) | 3.5mm | 4.0mm |
| アクチュエーションポイント | 0.02〜3.3mm可変 | 1.2mm | 1.9mm |
| ホットスワップ対応 | あり(全キー) | なし | なし |
| キー安定構造 | スタビライザー搭載 | スタビライザー搭載 | スタビライザー搭載 |
| USBパススルー | なし | なし | あり(USB 2.0) |
| ケーブル長 | 約1.8m | 約2.0m | 約1.8m |
| 取り外し可能キーキャップ | あり | あり | あり |
| ソフトウェアプロファイル保存 | あり | あり | あり |
| 保証期間 | 1年 | 2年 | 2年 |
比較詳細
MADLIONS FIRE68-WHは、コンパクトな65%クラスの英語配列ボディに磁気ホールセンサーを組み合わせ、0.02mm刻みでアクチュエーションポイントを追い込めるのが核心です。8000Hzの高ポーリングと最短0.2ミリ秒クラスの低遅延は数値として強烈ですが、実際の入力体験では「押し始めが自分の指の都合にぴたり合う」微調整の自由度が効きます。シリコン防音パッドも内蔵され、軽い打鍵で音が膨らみにくい構造。白筐体の清潔感と控えめな発光はデスクを明るく整理してくれる印象で、ゲーム専用に振り切らないワークスペースとの相性が良いです。初めて使ったときも、机の上が一段スッキリして「これなら普段使いのキーボードをこれ一台にまとめてもいいな」と素直に思えるまとまり方でした。
Razer BlackWidow V3 TKL JP Yellowは、テンキーレスで日本語配列の扱いやすさと静音リニアのYellow軸が特徴です。公称1.2mm付近で反応し、3.5mmトラベルを持つキーは「引っ掛かりがないままスッと反応してスッと戻る」速度感が魅力。1000Hzの標準的なポーリングでもゲーム中の入力遅延で不満は感じにくく、Chroma RGBのライティングは没入感づくりに寄与します。耐久も8000万回クラスに設定されており、日常使いから長時間プレイまで粘り強い設計です。実際、夜間に照明を落として使うと、キーだけが静かに浮かび上がるようなライティングで、「ちょっとだけゲームしよう」と思ったつもりが長丁場になってしまうタイプの楽しさがあります。
Logicool G512 Carbon Linearは、フルサイズ配列で一体アルミ合金トップの重心が低く、据え置きの安定感が抜群です。GX Red(リニア)ではアクチュエーションがおおむね1.9mm、トラベルは4.0mmの設定で、「押下の始まりから底まで一貫して滑らか」な直線的ストロークが続きます。LIGHTSYNC RGBは各キー単位のカスタマイズが細かく、視覚的なレイヤー分けが作業やゲームの切り替えに役立ちます。素材の冷たさと剛性感が手に伝わり、長時間のタイピングでもしっかり支えてくれる骨格の強さが印象的でした。実務用途で1日中打鍵していても、フレームのたわみやガタつきが気にならず「据え置きの主力機」として安心して任せられる感覚があります。
机上の体感差はサイズで劇的に変わります。FIRE68-WHに替えるとマウスの走行域が拡張され、手元の角度調整が自由になります。肩のラインが正面に揃い、長時間のトラッキングやCAD系の細かい操作でも「腕の移動が減る」メリットを感じます。BlackWidow V3 TKLはテンキーレスなので同様の恩恵はありつつ、JIS配列の記号入力が直感的に進む快適さが仕事では強いです。G512は幅が増える代わりに、手首の着地点とキー列の間隔が安定し、ブラインドタイプ時の指のホームポジションが崩れにくい。空間を広げて動かすか、その場で確実に打つか、好みの姿勢で選べる差があります。自分のデスクで3台を入れ替えながら使ってみると、「ゲーム中心の日はFIRE68」「動画編集や資料作成が多い日はG512」と、自然と使い分けたくなるのが面白いところでした。
打鍵音の性格もはっきり違います。FIRE68-WHは防音設計と軽い押下圧の組み合わせで、キー上面で音が滝のように落ちず、響きが抑えられるタイプ。深夜の入力でも周囲に「打っている」主張が漏れにくいのがありがたいです。BlackWidow V3 TKLのYellow軸は静音寄りで、底打ちしても耳障りな高音が立ちにくく、カチャつかないサラサラしたタッチ。G512のリニアは金属トップの制振が効いて、低めの響きでまとまるため録音や配信でも扱いやすい質感でした。それぞれ静かさの作り方が違い、FIRE68は構造で受け止め、BlackWidowはスイッチで丸め、G512は材で整えるというイメージです。タイピング音を録音して聞き比べると「同じリニア系でもこんなにキャラクターが違うのか」と実感できるレベルでした。
スイッチの反応は、数字より「指との合致」で差が出ます。FIRE68-WHの可変アクチュエーションは、軽触れで反応させたいゲーム(例:連続ストレイフや連打系)と、誤入力を避けたい文章作成のような用途を一台で切り替えられる柔軟さが圧巻です。実際、キーごとに閾値を微調整すると、スペースやエンターの暴発が消え、移動キーは別物のように俊敏化します。BlackWidow V3 TKLは固定ながら、Yellow軸の戻りの速さで連続入力に強く、キーの頂点付近での制御がしやすい。G512はリニアの素直さが武器で、長文タイピング時に「意識せず刻み続けられる」均質なフィールが続きます。実運用ではFIRE68に「攻めるキー」、BlackWidowに「万能キー」、G512に「安心して叩き続けるキー」といった役割を割り振ると、かなり快適に回せました。
ソフトウェアの作り込みは演出と習慣化に効いてきます。FIRE68-WHはWebベースの設定で、アクチュエーションやトリガーの微調整、キー再マッピング、RGB制御をブラウザから手早く編集可能。環境に依存しにくく、初動が軽いのが嬉しいポイントです。Razer SynapseのChromaはエコシステムの強みがあり、ゲーム連動の発光やデバイス間の同期がスムーズで、見た目と操作の統一感を作りやすい。Logicool G HUBはキー単位の色分けとプロファイル切替がわかりやすく、作業用と遊び用を視覚的に切り分けられるのが便利でした。派手さを求めるならRazer、構造的なチューニングならMADLIONS、運用の分けやすさならLogicoolと、それぞれの持ち味が明確です。「今日は集中したいから落ち着いた配色にしておこう」といった小さな工夫が、そのまま作業リズムにつながる感覚がありました。
配列の違いは、慣れと作業内容で価値が変わります。FIRE68-WHはUS配列で、記号やショートカットを英語キーマップ前提で使う人には軽快。Photoshopやエディタ系ショートカットを多用する場合、US配列の方が指の移動が少なく済むシーンが多いです。BlackWidow V3 TKLはJIS配列で、かな入力や全角記号を多用する人に馴染みやすい。G512は国内正規の日本語配列が基本で、オフィスワークとゲームの両立がしやすい印象です。私は英語配列でショートカットを詰め込む癖があるのでFIRE68の軽さに惹かれましたが、動画編集ではBlackWidowのJIS配列が手戻りを減らす場面もあり、用途別に明確な相性が出ました。「日中はG512で書類作成、夜はFIRE68とゲーム」というように、時間帯で使い分けるのもかなりアリです。
総じて、体感できる差は「どこを自分で動かしたいか」で決まります。キーの反応点まで掌で追い込みたいならFIRE68-WHが突出。机上の広さと静かさを両立しつつ、華やかさも求めるならBlackWidow V3 TKLが心地よい。どっしり構えて安定重視、長文や作業を日々積み上げるならG512の堅牢さが効いてきます。私の指では、FIRE68の調整幅がゲームの「思わず一歩先に出る」動きを作り、BlackWidowは夜の作業で気持ちよく流れ、G512は朝の執筆で集中の土台になりました。スペックの数値を超えて「生活の作法」を変えてくれる感覚が、それぞれ違う角度で確かにあります。正直、3台とも手元にあると「今日はどのスタイルで仕事・ゲームをするか」を決めるところから一日のスイッチが入るような、不思議な楽しさがありました。
まとめ
総評は次の通り。まずMADLIONS FIRE68-WHは9.0点。磁気ホールセンサーで0.02mm単位のアクチュエーション調整が効き、8000Hzポーリングと組み合わさることで、反応の鋭さと誤作動の少なさを自分の手癖に合わせて追い込める感覚が楽しい。白基調の外観はデスクを明るく仕立て、RGBの見え方もクリア。65%の券面でも必要機能を過不足なく持ち、携行や省スペース環境でも操作密度を落とさない万能さが魅力でした。 次点はRazer BlackWidow V3 TKL JP Yellowで8.7点。静音寄りの線形スイッチは夜間の作業でも気にならず、戻りの速さが連打に響きます。ChromaとSynapseの作り込みはやはり盤石で、テンキーレスの取り回しに対して視覚演出とキーマップ運用が自然に馴染む。1000Hzでも実用上の遅延は感じず、筐体の剛性やキーの安定も良好です。 三番手はLogicool G512 Carbon Linearで8.2点。5052アルミのトッププレートによるたわみの少なさと、GX Redの素直な線形が、ゲームから長文入力まで疲労を抑えます。LIGHTSYNCのキー別制御は使いこなすほど効いてきて、視覚の整理が上手く働きます。一方でフルサイズはマウス可動域と引き換えになるため、設置に余裕がある人向きです。 ベストチョイスはFIRE68-WH。自分の指先の意思に応じて動作点を合わせ込める楽しさと、反応の速さが省スペース設計と矛盾しません。スコアはFIRE68-WH 9.0点、BlackWidow V3 TKL JP Yellow 8.7点、G512 Carbon Linear 8.2点。用途を選ばず軽快に攻めたいならFIRE68-WH、静かで堅実なテンキーレス運用ならBlackWidow、据え置きで安定重視ならG512が心地よい落とし所でした。実際の生活のリズムに合わせて一台を選ぶと、キーボードが単なる入力装置ではなく「自分の動きを先回りしてくれる道具」に変わった感覚を味わえるはずです。
引用
https://www.links.co.jp/item/madlions-fire68/
https://www.razer.com/jp-jp/gaming-keyboards-keypads/razer-blackwidow-v3-tenkeyless
https://www.logicool.co.jp/ja-jp/products/gaming-keyboards/g512-mechanical-keyboard.html
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