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比較概要
MOBO TenkeyPad AM-NPB20-SWとミヨシ TEN24G02/SLは、どちらもワイヤレスで気軽に使えるテンキーとして定番の存在です。ノートPCやテンキーなしキーボードを使うユーザーにとって、数字入力を効率化するうえでまず候補に挙がるモデルと言っていいでしょう。どちらも約19mmのキーピッチで打ちやすく、コンパクトながらエクセルの作業や会計ソフトの入力をしっかり支えてくれます。一方で、長時間の入力や「机に置きっぱなしで日々酷使する」ような使い方になると、筐体の剛性や打鍵感、接続方式の安定性など、細かな違いがストレスの有無に直結してきます。
そこで比較の軸になるのが、アルミボディと落ち着いたデザインが特徴のSatechi PST-SALKPMです。このモデルはBluetooth 3.0接続の18キータイプで、机上での存在感を抑えつつ、アルミ筐体ならではの剛性感と安定感を備えています。キーの押下感は軽すぎず重すぎず、指先に「コツッ」とした手応えが返ってくるタイプで、テンキーを単なる補助デバイスから一段上の「作業効率を上げるギア」に引き上げてくれる印象があります。加えて、MacやiPad、Windowsなど幅広いデバイスにBluetoothで接続できるため、自宅とオフィス、ノートPCとタブレットといった環境をまたいで仕事をしている人にも相性が良い構成です。
MOBO AM-NPB20-SWはBluetooth 5.1対応の20キー構成で、厚さ約12mm・約62gという軽量コンパクトさが光ります。カバンに放り込んで持ち歩き、カフェやコワーキングスペースでサッと取り出して使うシーンに強く、いわば「フットワークの軽い相棒」というポジション。一方のミヨシ TEN24G02/SLは2.4GHzワイヤレス+専用USBレシーバー方式で、方向キーやAlt・F2・F4などを備えた36キー配列が特徴です。表計算ソフトを片手でガシガシ操作したい人にとって、ショートカットをテンキー側で完結できるのは大きなメリットです。
同じ「ワイヤレステンキー」というくくりでも、Satechi PST-SALKPMはアルミ筐体とシンプルな18キー配列で完成度の高い打鍵感と見た目の統一感を重視したモデル、MOBOは薄さと軽さで携帯性を重視したモデル、ミヨシは多機能キーと専用レシーバーで実務的な操作性を重視したモデルという住み分けになっています。ここからは、スペックと実際の使用感の両面から3機種を比較していきます。
比較表
| 機種名 | Satechi PST-SALKPM | MOBO TenkeyPad AM-NPB20-SW | ミヨシ TEN24G02/SL |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| 接続方式 | Bluetooth 3.0 | Bluetooth 5.1 | 2.4GHzワイヤレス(専用USBレシーバー) |
| キー数 | 18キー | 20キー | 36キー |
| キー配列 | 英語配列(テンキー部) | 日本語Windows用配列 | 日本語Windows用オリジナル配列 |
| キースイッチ | パンタグラフ系 | パンタグラフ(アイソレーション) | パンタグラフ(アイソレーション) |
| 対応OS | macOS / Windows 11・10 / iPadOS・iOS | Windows 11 / 10 | Windows 11 / 10 |
| 電源 | 内蔵リチウムイオン電池(USB Micro-B充電) | 内蔵リチウムイオン電池(USB-C充電) | 内蔵リチウムイオン電池(USB Type-C充電) |
| 本体サイズ | 約115×80×10mm | 約83×117×12mm | 約147×119×15mm |
| 重量 | 約100g | 約62g | 約135g |
| キーピッチ | 約19mm | 約19mm | 約19mm |
| インジケータ | 充電/バッテリーLED | NumLock・バッテリーLED | 電源/接続状態LED |
| ショートカットキー | 計算用記号キー(+ / − / × / ÷ など) | Tabキー・00キー搭載 | 方向キー・Alt・F2・F4・Tab・,キーなど |
| 材質 | アルミ筐体 | ABS / ポリカーボネート | 樹脂筐体(主にABS系) |
| カラー | スペースグレイ / シルバー | ホワイト/シルバー | シルバー |
| 対応インターフェース | Bluetooth | Bluetooth | USB-Aレシーバー(2.4GHz無線) |
| テンキー以外の機能 | 計算記号キーで簡易計算がしやすい | Tab・00キーで数値入力を省力化 | 方向キーやAlt・F2・F4などで表計算ソフト操作を効率化 |
| 携帯性 | 適度な重さで持ち歩きも可能 | 超軽量・薄型で携帯性重視 | やや大きめだが薄型でカバンにも入る |
比較詳細
実際に3機種を並べて使ってみると、まず触れた瞬間の「質感」がSatechi PST-SALKPMだけ少し別物だと感じました。アルミボディ特有のひんやり感と剛性が手のひらに伝わり、机に置いたときもペタっと安定してくれます。軽く押しても筐体がビクつかず、数字を連打しても本体がズレないので、「あ、これは据え置きでガンガン使えるやつだな」と第一印象から好感度が高めでした。
MOBO TenkeyPad AM-NPB20-SWは逆に「とにかく軽い」。初めて持ったときは、その軽さに思わず笑ってしまうくらいで、カバンのサイドポケットに差しておいても存在を忘れるレベルです。厚さ約12mmのフラットな形状もあいまって、モバイル用途に特化したテンキーという印象。一方で、机にそのまま置いて使うと、タイピングのリズムが乗ってきたときにほんの少しだけ本体が動く感覚があり、長時間のガッツリ入力では「もう少し重量があると安心かな」と感じる場面もありました。
ミヨシ TEN24G02/SLは、サイズもキー数も3機種の中では一番「フル装備」な印象です。方向キーやAlt、F2、F4、Tab、カンマキーなどが並ぶ36キー配列で、エクセルを開いた瞬間に「これ1台でかなり完結できそうだな」という頼もしさがあります。2.4GHzワイヤレス+USBレシーバー方式なので、PC側はレシーバーを挿しておくだけで電源オンと同時にサッとつながる感覚。持ち歩くにはやや大ぶりですが、机上での据え置き運用にはちょうど良いバランスです。
打鍵感の違いも、3機種を選ぶうえでかなり重要なポイントでした。Satechiはパンタグラフ系のスイッチで、ストロークは浅めながらも底付きの感触がきちんと伝わってきます。ペチペチと軽いわけではなく、「コトッ」と小さく収束するタイプで、指先に残る感触が落ち着いている感じ。自宅のデスクで経費精算を2〜3時間まとめてやった日も、指に変な疲れがたまることなく、最後まで同じペースで打ち続けられました。
MOBOは同じくパンタグラフ方式ですが、Satechiよりも全体的に軽快寄りです。押し始めから入力確定までの距離が短く、指を滑らせるように打っていくとテンポ良く数字が流れていきます。カフェでノートPCと組み合わせて使ったときも、テーブルが少しぐらつく環境でも違和感なく入力でき、「移動先でサクッと作業する」というシナリオにはとてもマッチしました。ただ、3時間以上の長丁場になると、軽さゆえに「ちゃんと押したかな?」と一瞬確認したくなる場面が時々あり、集中力が落ちてきたタイミングではSatechiの“重心のある打鍵感”のほうが安心感がありました。
ミヨシ TEN24G02/SLのキーは、パンタグラフらしい軽やかさと、しっかりした戻りのバランスが特徴的です。方向キーと数値キーを行き来しながらセルを移動し、F2やAltを絡めて編集するような作業では、「あ、これは表計算向けに作り込まれているな」と実感します。テンキー側だけでセル移動から編集、確定までほぼ完結できるので、右手だけで表を整えていく作業はかなり快適でした。一方で、キー数が多いぶん、最初のうちは指の移動量が増え、慣れないうちは時々別のキーに触れてしまうこともありました。数日使い込むと体が覚えてきて、むしろ「この配列じゃないと物足りない」というくらいには馴染みます。
接続まわりの使い勝手も、毎日の運用で差が出るポイントです。Satechi PST-SALKPMはBluetooth 3.0接続で、MacBookやWindowsノート、iPadといった複数デバイスにペアリングしておけば、必要に応じて切り替えて使えます。ケーブルレスなので、机の上ではノートPCの左右どちらにも自由に配置でき、数字をたくさん打つ日はキーボードのすぐ右、ブラウズ中心の日は少し遠くに置いておくなど、ワークスタイルに合わせて柔軟にレイアウトできました。充電はMicro-Bケーブルですが、数週間に1回まとめて充電する程度の運用なら、そこまで大きな不満にはなりませんでした。
MOBO AM-NPB20-SWもBluetooth接続ですが、こちらは最新のBluetooth 5.1 Class2に対応しており、ペアリングの安定感はかなり優秀です。ペアリングボタンを一度設定してしまえば、ノートPCの電源を入れるたびに自動でつながる感覚で、タイムラグもほとんど気になりません。充電用にUSB-Cケーブルが付属するので、最近のノートPCやスマホとケーブルを共有できるのも小さなメリット。個人的には「移動先で電源に余裕がないときに、PCのUSB-Cポートからちょっとだけ充電して再びワイヤレスで使う」という運用ができて、とても扱いやすく感じました。
ミヨシ TEN24G02/SLは2.4GHzワイヤレス方式で、専用USBレシーバーをPCに挿しておくだけで使えるタイプです。Bluetoothのようなペアリング操作が不要で、電源スイッチをオンにするだけで即座に使用可能になるのは、職場のデスクトップPCなどで特に便利でした。レシーバーは非常にコンパクトで、ノートPCに挿しっぱなしでも邪魔になりにくいサイズ感です。打鍵のレスポンスも非常に素直で、無線特有の遅延を意識する場面はほぼありませんでした。
長時間の使用感という観点では、やはりSatechiの安定感が一歩リードしています。アルミ筐体の重さと滑りにくいゴム足のおかげで、本体が動かないことがこれほどストレス軽減につながるのか、というくらい安心して打鍵に集中できます。自宅での在宅ワーク中、会計ソフトとスプレッドシートを行き来しながら3〜4時間ほど連続で使ってみましたが、手首や指の疲れ方が他の2機種よりも少なく感じられました。「今日は数字とにらめっこだな」という日に選びたくなるテンキーです。
一方で、通勤バッグに常に入れておく1台を選ぶなら、MOBO AM-NPB20-SWに軍配が上がります。とにかく軽くて薄いので、ノートPCと一緒に持ち歩いても負担になりません。出先のカフェで1時間だけ集中的にデータ入力をする、といったシーンでは、この軽快さがとても心地よく、Bluetooth接続のおかげでケーブルも一切気にせずに済みました。「今日は外で作業するから、とりあえずテンキーも忍ばせておこう」と思える気軽さは、他の2機種にはない魅力です。
ミヨシ TEN24G02/SLは、表計算ソフトや業務アプリでショートカットを多用する人にとってかなり強力な選択肢です。方向キーでセルを移動し、F2で編集、Altやカンマキーで操作を組み合わせる、といった一連の流れが右手だけで完結するので、マウスの移動量がガクッと減ります。実際に売上表や在庫表を1日中いじるような日には、この「一台完結感」が非常に心強く、仕事用デスクに常設しておくテンキーとしてはかなり優秀だと感じました。
まとめ
最終的に一番しっくり来たのは、やはりSatechi PST-SALKPMでした。まず触ってすぐにわかるのが、全体の剛性感とキーの収束感のバランスの良さで、指を置いた瞬間に位置が決まり、打ち始めから終わりまで迷いがありません。打鍵音も控えめで、在宅ワーク中に家族が近くにいても気を遣わずに済むレベル。配列も素直で、頻用するEnterやBackspaceまわりの到達が自然なため、数値入力に集中していても指が迷わない感覚があります。さらっと使っても安定し、腰を据えて叩いてもフォームが乱れない、いわば「縁の下で仕事を支えてくれるテンキー」という印象です。
次点はMOBO TenkeyPad AM-NPB20-SW。こちらはとにかく軽快さが魅力で、キーの戻りが軽く、テンポよく刻むような入力に向いています。厚さ12mmの薄型ボディは机上での収まりも良く、Bluetooth 5.1接続のおかげでワイヤレスの安定性も十分。長めの数列入力ではリズムを保ちやすく、手を大きく動かさずに済むので、短時間で数字を一気に片付けたいときの「スプリント用テンキー」として重宝しました。ただ、軽さゆえに、疲れてきたタイミングでは指が先行してしまうような感覚があり、慎重さを求められる場面ではSatechiほどの安心感はありません。
三番手はミヨシ TEN24G02/SL。シンプルで癖のない打鍵感に加え、方向キーやAlt、F2、F4などのショートカットをまとめて搭載している点が非常に実務的です。導入直後でも操作で迷うことが少なく、「とりあえずこれを置いておけば表計算はなんとかなる」という頼れる存在になってくれました。キー表面の質感も指に優しく、滑りすぎない程度の抵抗があるので、ミス入力を防ぎやすいところも好印象です。一方で、36キーというボリュームゆえに、最初のうちは意識して指を運ぶ必要があり、一定のリズムを維持するにはほんの少し慣れが必要でした。
総評として、安定・静粛・配列のわかりやすさでイライラの種を減らしてくれるSatechi PST-SALKPMが、日々の数字入力を落ち着いた気分でこなしたい人には最も満足度が高い選択肢だと感じました。外出先での軽快な作業や、カバンに入れっぱなしにしておきたい「持ち歩き用テンキー」を探しているならMOBO AM-NPB20-SW、表計算ソフトをフル活用して効率よくセルをさばきたいならミヨシ TEN24G02/SLが有力候補になります。迷ったときは、「正確さ重視で腰を据えて数字を刻みたいか」「軽快さ重視でテンポよく入力したいか」「ショートカット重視で表計算に特化したいか」という軸で考えると、自分に合った1台が選びやすくなるはずです。
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