目次
比較概要
MOBO TenkeyPad AM-NPB20-SW、ミヨシ TEN24G02/SL、Satechi PST-XLABKMの3機種を取り上げ、テンキー選びで迷いやすい「配列の素直さ」「打鍵感の安定」「ビルドの剛性感」「接続の途切れにくさ」「設置と持ち運びのしやすさ」を中心に比較する。まず、日常の入力で実感しやすいのは配列のクセの少なさと操作の迷いの少なさで、指が数字列や演算キーに自然に落ちるか、段差やキー間の距離が気にならないかが快適度を左右する。次に、打鍵音と反発の質は疲労感の差に直結し、長時間の表作業や伝票入力で負担の蓄積が変わる。外装の剛性やたわみの少なさは机上での安定感と誤入力の抑制に寄与し、持ち上げても歪みを感じないと安心して使い続けられる。接続は、ケーブル接点や無線の安定が肝で、机周りの環境変化に左右されにくいかがポイントだ。さらに、角度調整やゴム足の効き、ケーブル取り回しや収納のしやすさなど、目立たない要素が結局のところ快適さを決める。今回はそれぞれの強みと弱みを、机上でのリアルな操作シーンに沿って掘り下げ、短時間で「自分に合う」判断ができるよう、差が出やすい体感ポイントから順に整理する。細かな仕様の羅列ではなく、実際に触ったときの迷いの少なさ、テンポよく入力が続けられるか、集中が途切れないかに着目し、通勤バッグに入れるか据え置きにするかの選び分けまで含めて検討した。数字入力の流れを止めないテンキーとは何か、その答えを具体的な使用感の差から導く。実際に何日か仕事で使ってみると、「あ、この作業はこのテンキーが楽だな」と瞬間的に分かる場面が出てきて、その積み重ねが最終的な評価に直結していく。
比較表
| 機種名 | Satechi PST-XLABKM | MOBO TenkeyPad AM-NPB20-SW | ミヨシ TEN24G02/SL |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| ブランド | Satechi | MOBO | ミヨシ |
| 型番 | PST-XLABKM | AM-NPB20-SW | TEN24G02/SL |
| 発売日 | 2024年8月 | 2022年2月17日 | 2022年6月13日 |
| 接続方式 | Bluetoothワイヤレス | Bluetoothワイヤレス | 2.4GHzワイヤレス(USBレシーバー) |
| 無線規格 | Bluetooth | Bluetooth 5.1 Class2 | 2.4GHz |
| 受信機インターフェース | なし(Bluetooth接続) | なし(Bluetooth接続) | USB Type-Aレシーバー |
| 対応OS | iPadOS / iOS / Mac(対応Mac・iPad・iPhone各種) | Windows 11 / Windows 10 | Windows 11 / Windows 10(日本語版) |
| キー数 | 34キー | 20キー | 36キー |
| 電源方式 | 充電式(内蔵バッテリー) | 充電式(USB給電) | 充電式(内蔵リチウムイオン電池) |
| 充電端子 | USB-C | USB-C(給電専用) | USB-C(充電専用) |
| 寸法 幅 | 146mm | 83mm | 147mm |
| 寸法 高さ | 9mm | 12mm | 15mm |
| 寸法 奥行き | 114mm | 117mm | 119mm |
| 本体重量 | 126g | 約62g | 約135g |
| カラー | スペースグレイ | ホワイト/シルバー | シルバー |
| JANコード | 4988481886169 | 4582353595540 | 4951241150794 |
比較詳細
Satechi PST-XLABKMを手元に置くと、薄いアルミ調の質感と落ち着いたグレーがまず視界を整えてくれます。Bluetooth接続で配線の影を消し、机上の動線がすっと軽くなる感覚が心地よいです。キーはフラットに近い低背で、浅めのストロークでも指先が迷わず数字に吸い付くように入っていく。34キーの拡張配列が効いていて、単純な電卓操作を越えて、カーソル移動やショートカット的な動きまでテンキー側で完結できる場面が増えました。Mac環境で使うと特に相性の良さを感じ、無理なく自然に手が伸びる位置に機能が揃っているという印象です。軽快に数字列を流していると、肩に余計な力が入らず、テンポが乱れない——そういう快適さが、このモデルの魅力の核だと思います。実際、自宅のMacBook横に常設して数日使ってみると、「今日はちょっと入力が多いな」と思う日ほど、このテンキーに助けられている実感が強くなっていきました。
MOBO TenkeyPad AM-NPB20-SWは、持ち歩いても気にならない軽さが武器です。手に取ると拍子抜けするほど軽いのに、キー面には丸みのあるくぼみがあり、指の腹にきちんと収まってくれる。打鍵はパンタグラフらしい浅めで、クリック感は控えめ、タタタッとリズムに乗せた入力が得意です。20キーというすっきり構成は、Excelの縦横の繰り返し入力に向いていて、Tabや00が効率化の要になります。Bluetoothの気軽さも相まって、ノートPCの横に並べてすぐ投入できる即応性は高い。ただ、安定感という意味では本体の軽さが裏目に出ることもあり、長時間の連続入力では、机上に置く位置や姿勢を少し気にしてあげると疲労感が抑えられます。軽快さ重視のワークスタイルにぴったりとハマるテンキーで、「今日はカフェで作業しよう」と思った日にカバンへ放り込んでも負担にならない身軽さがあります。
ミヨシ TEN24G02/SLは、方向キーを備えた配列が特徴で、2.4GHzのレシーバー接続による反応の確かさが強みです。USBレシーバーを挿した瞬間から、遅延や接続待ちのストレスがなく、数字と矢印操作をテンキー側で一体化して扱えるのが便利。ショートカット系のキーも併設されていて、セル編集やアプリ操作の往復が最短動線になります。キーはパンタグラフで、押し下げの浅さは他モデルと同傾向ながら、押す・離すの切り替えがはっきりしているのでテンポが崩れにくい。Windows環境での表計算や管理業務では、方向キーをテンキー側に集約できるメリットが毎分毎秒で積み重なって効いてきます。入力と移動を一枚のデバイスに集めたい人には、構造的に最適化された一体感があります。
打鍵の主観で比べると、Satechiは軽やかで滑らかな面の上を指が滑走するようなタイプ。キー表面に平面感がある分、視線の移動が減り、指先のスナップで次に進めるので、長い数列でもペースを崩さずに済みました。MOBOは丸みのくぼみで指の着地が安定し、スピード入力をかけてもミスが出にくい設計。ただし軽量ボディがゆえに本体がわずかに動くことがあり、勢いのあるタッチを繰り返す場面では、下敷きやマットでベースを支えるとより良い。ミヨシは押下と復帰がカチッと明瞭で、カーソルの往復が混じる操作でもリズムが途切れないのが利点。数字と移動を交互に混ぜる操作パターンに強く、手の移動量を最小化できる点が体感差としてはっきり出ます。
配列の違いは、アウトプットの質に直結します。Satechiの拡張配列は、テンキーに割り振られた追加キーを活用することで、アプリ内ショートカットの一部をテンキー側へ寄せられるため、キーボード本体へ戻る往復が減って、入力の集中が続きます。MOBOのシンプルな20キーは、フォームの切り替えが少ない業務で真価を発揮し、同じ操作を繰り返す時の疲労感が薄い。一方、ミヨシの方向キー内蔵は、行列の移動や範囲選択の頻度が高いタスクで顕著な効率差となって現れ、マウスへの手の往復が減る分、肩が軽く感じます。配列設計は単なる好みではなく、タスクの性質と結びつく——この違いは使えば使うほど明瞭になっていきます。実務では「よく使うキーの位置」がそのまま作業効率に跳ね返るので、自分のワークフローと配列のクセが噛み合うかどうかが重要です。
接続方式の体感は、実は作業のテンポに響きます。SatechiとMOBOのBluetoothは、マルチデバイス環境や持ち歩き中心なら自由度が高く、机上にケーブルが出ない心理的な解放感が集中力を支えてくれる。一方、ミヨシの2.4GHzは、オフィスの無線環境でも応答が安定していて、瞬時の反応を重視する人にしっくり来る。起動直後からすぐ打てる、というシンプルな利点が日々の小さなストレスを確実に減らします。実務で使い倒すほど、接続の安定感は「作業の呼吸を乱さない」価値として積み上がります。とくに毎朝PCを立ち上げてすぐ集計を始めるような人ほど、「つながらないから一度電源を入れ直して……」といった時間を削れる恩恵は大きく感じるはずです。
携帯性と机上の落ち着きで見ると、MOBOの軽さは圧倒的で、ノートPCと一緒に持ち出す道具として優秀です。カフェでもサッと出して、短時間で数字の塊を片付けるのに向いています。Satechiは軽量ながら天板の剛性があり,据え置きでも見栄えと安定のバランスが良好。外出先でもオフィスでも違和感なく使える雰囲気が強みです。ミヨシはレシーバー運用で接続の切替が簡単なので、固定席で業務システムに向かうスタイルと相性が良い。どれも軽く薄いのに、用途ごとに「楽に感じる」ポイントが異なるのが面白いところです。自宅用はSatechi、出先用にMOBO、会社のデスクにはミヨシ、といった役割分担も素直に成立します。
数字のミス減少という観点からも差が出ました。長い数列の入力では、Satechiの平滑なキー面が視線誘導を抑え、指の連続動作が維持しやすい。MOBOはキーくぼみが着地の位置決めを助けるので、打ち損じが少ない反面、勢い良く叩くと本体の軽さが影響する場合があり、設置環境にひと工夫したい。ミヨシは矢印操作をテンキー側にまとめられるので、思考の流れを途切らせず、数字と移動のミックス入力でのミスが減る肌感がありました。結果として、どのモデルもミス抑制に資する工夫がありつつ、タスクの種類によって優位が入れ替わります。実務でやらかしたくない「桁の入力ミス」や「一段ずれた入力」も、それぞれの特徴を理解して選べばかなり減らせる感触でした。
ソフトウェア操作の融通性では、ミヨシのショートカット寄りのキー群が効率化の即戦力になります。ファイル名変更や操作の繰り返しなど、ちょっとした動作をテンキーで済ませられるのはシンプルに便利。Satechiの拡張キーはMac系の操作感に沿った配置で、数字入力にひとさじ機能を足してくる。MOBOは純度の高い数入力特化で、押して離すまでの動作が軽く、同型の入力が続くほど強さが増していくタイプです。テンキーに何を任せたいかで、評価軸が明確になります。「とにかく数を打ちたい」のか「カーソル操作もまとめたい」のか、自分のスタイルを一度棚卸ししてから選ぶと失敗しにくいと感じました。
疲労の出方も分かれます。浅めのストロークで揃う3機種ですが、Satechiは面の滑りが良く、打鍵荷重が一定で肩が張りにくい。MOBOは指先の着地が安定するため、速度を上げても無理が出にくい半面、本体が軽いので置き方次第で手首の角度に影響が出ることがある。ミヨシは操作の往復がテンキー内で完結する場面が増えるため、腕の移動が減って、長丁場の集計時にも体が楽でした。結果的に、入力の比率が高い人はMOBOかSatechi、移動や選択が絡む人はミヨシが合う、という住み分けが見えてきます。何時間か続けて使ってみると、自分の体がどのテンキーを「楽」と感じているかがはっきり分かるので、そこも選択のヒントになります。
総じて、Satechi PST-XLABKMは「気持ちよく数字が流れる」体験をくれるテンキーで、見た目の整いと操作の滑らかさが両立しています。MOBO TenkeyPad AM-NPB20-SWは、軽さと要点を押さえたキー構成で、外でも中でも素早く仕事を切り上げたい人向け。ミヨシ TEN24G02/SLは、方向キーとショートカットが実務の速度を押し上げ、安定接続で呼吸の乱れがない。スペックを並べるだけでは伝わりにくい「手の動きがどう変わるか」「視線がどう動くか」「肩がどう感じるか」の差が、使い始めてすぐに分かります。自分の作業パターンに合うモデルを選べば、テンキーは単なる数字入力装置ではなく、作業のテンポを調律する相棒になります。
もし迷うなら、普段の作業で数字と移動の比率を少しだけ意識してみてください。数字の連打が中心なら、MOBOかSatechiの気持ち良さがそのまま効率になります。移動や選択を含むなら、ミヨシの一体感が作業の流れを整えます。手に取って最初の十分で「楽だ」と感じたものが、結局いちばん仕事を進める——テンキー選びは、その直感に従って大丈夫です。どれも机上に置いた瞬間から、少しだけ自分のワークフローが整う。そこから先の速度は、あなたの得意なタスクに合わせて、自然に上がっていきます。
最後に、実際の感覚をもうひと押し。Satechiは立ち上げも復帰も軽く、数字列の長距離走で足取りが揃う感じ。MOBOは持ち出してこそ真価が出て、場所に縛られない軽さが結果的に作業時間の短縮に繋がる。ミヨシはデスクワークのリズムを一定に保ち、入力と移動の切り替えのストレスを忘れさせてくれる。どれを選んでも「テンキーを使う価値」をすぐに体で理解できますが、その理解の仕方は三者三様です。あなたの一日の中でいちばん長く続く作業に、いちばん違和感なく寄り添うものを選ぶ。それが、買って良かったと胸を張れるテンキー選びの近道だと確信しています。
まとめ
最も使っていて快適だったのはSatechi PST-XLABKM。薄型で机上の存在感が控えめなのに、Bluetooth接続の安定感とテンキー+矢印+macOSショートカットの拡張で「足りなかった操作」が一気に揃う。USB-C充電で途切れず運用でき、外観も作業環境に馴染むスマートさが心地よい。数字連打も誤入力が少なく、矢印でセル移動まで指が迷わない一体感がある。MacやiPad、iPhoneをまたいで作業する人にとっては、1台足すだけでワークスペース全体の完成度が一段上がる感覚があり、「いつもの作業がちょっと楽しくなる」タイプの製品だと感じました。
次点はMOBO TenkeyPad AM-NPB20-SW。約62gの軽さと厚さ12mmという薄さは携行用として抜群で、浅めのパンタグラフに指が乗る凹みキャップがテンポ良い入力を支える。Tabや00キーの実用性が高く、NumLock非連動の対策でノート併用時の不具合を避けられるのもストレスがない。Bluetooth 5.1 Class2対応で、ペアリングさえ済ませておけば、ノートPCを開いて数秒で入力を始められる即戦力です。打鍵はやや軽めで、机が硬いと反発を強く感じる場面があったので、マットやデスクマットを併用するとバランスが取りやすくなります。出先での作業が多く、「必要なときだけ横に置くテンキー」が欲しい人にはぴったりの選択肢です。
三番手はミヨシ TEN24G02/SL。2.4GHzレシーバーの即応性と方向キー搭載は表計算で強力で、AltやF2/F4、カッコキーやカンマキーなどの割り当てで片手操作が捗る。薄型で持ち運びも苦にならないが、USB Type-Aレシーバーを占有する点と、Windows日本語環境前提の配列が人を選ぶ印象です。打鍵はノートPC的でスピードは出るものの、キー面はフラット寄りで指の収まりはMOBOほどではない代わりに、方向キー込みの一体操作に最適化されていると考えると腑に落ちます。オフィスの固定席で、日々Excelや業務システムと向き合う時間が長い人には、作業動線を短くしてくれる心強い相棒になるはずです。
総合的なベストチョイスはSatechi PST-XLABKM。使い心地と途切れにくさ、キー配置の完成度が一枚上で、Mac/iPad中心の環境なら最初に検討したい1台です。携行性とコスパ、シンプルな数入力のしやすさを重視するならMOBO TenkeyPad AM-NPB20-SW。WindowsでのExcel常用やショートカット込みの片手操作を極めたいならミヨシ TEN24G02/SLがフィットする。どれを選んでもテンキー導入のメリットははっきり感じられるので、自分の作業スタイルに一番しっくりくる「手触り」を基準に絞り込むのがおすすめです。
引用
https://satechi.com
https://mobo-jp.com/products/mobo-tenkeypad/
https://mco.jp/products_pc/ten24g02/
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