ApeosPrint 4620 SDWの実力と選び方

目次

概要

ApeosPort Print 4020SD、HP LaserJet Pro 4003dw。いずれもオフィスの定番として一定の評価を得ている中で、ApeosPrint 4620 SDWは「毎日の印刷体験」を一段引き上げることを目指したモデルです。ポイントは、単なる高速化や小型化ではなく、窓口業務やバックオフィスの現場で起こる“ありふれた不満”への細やかな対処にあります。たとえば、朝一の立ち上がりから頻繁な出力が続く時間帯、複数部門が共有するプリンタでのジョブ衝突、封筒やはがきなど厚手紙の混在、そしてセキュリティやトレー運用といった、日々の業務の足を引っ張りがちな要素です。ApeosPrint 4620 SDWは、こうした場面でのストレスを減らすため、用紙取り回しの安定感や、操作系の分かりやすさ、ネットワーク環境との馴染みやすさにまで配慮されています。重要なのは、紙面の見栄えだけでなく、印刷を依頼してから手に取るまでの“一連の流れ”が滑らかになること。紙が詰まらない、設定に迷わない、混雑時でも順番が読みやすい、その積み重ねが生産性を底上げします。ApeosPort Print 4020SDに慣れた現場であっても、日々の小さな改善が合わさると乗り換える価値が見えてきますし、HP LaserJet Pro 4003dwを検討中の方にとっても、業務導線に寄り添う使い勝手は比較する価値があります。この記事では、表や数値だけでは伝わりにくい「使った後の満足感」を軸に、ApeosPrint 4620 SDWの魅力と選び方のツボを整理していきます。

比較表

機種名(固定文言) 富士フイルムビジネスイノベーション ApeosPrint 4620 SDW 富士フイルムビジネスイノベーション ApeosPort Print 4020SD HP LaserJet Pro 4003dw
画像
プリント方式 レーザー電子写真 レーザー電子写真 レーザー
印刷速度(A4片面) 46枚/分 40枚/分 42枚/分
印刷速度(A4両面) 24ページ/分 20ページ/分 35イメージ/分
ファーストプリントタイム 6.7秒 7.2秒 6.3秒
解像度 300×300dpi, 600×600dpi, 2400×600dpi, 1200×1200dpi 600×600dpi, 1200×1200dpi 1200×1200dpi
ウォームアップタイム 25秒以下(電源投入時) 28秒以下 25秒以下
階調 256階調 256階調 256階調
CPU Cortex-A53 1.2GHz Dual Core ARM系 1GHz 800MHz
メモリー容量 1GB 512MB 256MB
給紙容量(標準) 250枚+手差し100枚 250枚+手差し100枚 250枚+手差し100枚
最大給紙容量 1,390枚 900枚 900枚
出力トレイ容量 150枚 150枚 150枚
対応用紙サイズ A4, レター, B5, A5, A6, 封筒, はがき A4, レター, B5, A5, A6, 封筒, はがき A4, レター, B5, A5, A6, 封筒
用紙坪量 60~230g/m² 60~200g/m² 60~200g/m²
両面印刷 標準 標準 標準
接続インターフェイス USB2.0, 有線LAN, 無線LAN USB2.0, 有線LAN USB2.0, 有線LAN, 無線LAN
無線LAN規格 IEEE802.11a/b/g/n IEEE802.11b/g/n IEEE802.11a/b/g/n/ac
AirPrint対応 対応 対応 対応
モバイル印刷対応 Fujifilm Print Utility, Mopria Mopria HP Smart, Mopria
液晶パネル 1ラインLCD 2ラインLCD 2ラインLCD
消費電力(最大) 1130W 1100W 550W
サイズ(幅×奥行×高さ) 373×388×257mm 373×388×257mm 381×357×216mm
重量 約12.4kg 約12.2kg 約8.56kg
搭載フォント PCLフォント PCLフォント PCLフォント
セキュリティ機能 セキュリティプリント(Windows限定) セキュリティプリント PIN印刷

比較詳細

富士フイルムビジネスイノベーションのApeosPrint 4620 SDWを実際に使ってみると、まず印字のスピード感が手に取るように違って感じられる。ApeosPort Print 4020SDも決して遅いわけではないが、4620 SDWは立ち上がりから最初の一枚が出るまでの間が短く、待たされる感覚がほとんどない。HP LaserJet Pro 4003dwは安定した出力を見せるものの、連続印刷時のリズムがやや単調で、紙が流れるテンポに少し余裕があるように思える。実際に大量の資料を印刷していると、4620 SDWの方が「仕事が進んでいる」という実感が強く、効率性を肌で感じられる。

文字の鮮明さについても違いがある。4620 SDWは細かいフォントや小さな文字でも輪郭がくっきりしており、資料を読み返すときに目の疲れが少ない。4020SDはやや柔らかい印字で、長時間読むと少し滲んだような印象を受けることがある。HPの4003dwはシャープさはあるが、黒の濃度がやや軽めで、ページ全体が少し淡いトーンに見える。プレゼン資料や契約書など、文字の力強さが求められる場面では4620 SDWの方が安心感がある。

操作パネルの反応も体感差が大きい。4620 SDWはタッチパネルのレスポンスが軽快で、設定変更やジョブ管理が直感的に進められる。4020SDは物理ボタン中心で堅実だが、操作の流れが一段階多く感じられることがある。HPの4003dwはシンプルなUIで迷うことは少ないが、細かい設定を行う際には階層を辿る必要があり、慣れるまで少し時間がかかる。実際に日常業務で使うと、4620 SDWの操作性は「ストレスがない」という表現がぴったりで、作業の流れを途切れさせない。

静音性も印象的な違いがある。4620 SDWは印刷中の動作音が抑えられていて、オフィスの空気を乱さない。4020SDはやや機械的な音が響き、周囲に存在感を示す。HPの4003dwは中間的で、音はするが気になるほどではない。長時間の利用では、静かな環境を保てる4620 SDWの方が集中力を維持しやすく、作業効率にもつながると感じた。

紙の搬送精度も体感できる差がある。4620 SDWは給紙から排紙までの流れが滑らかで、紙詰まりの不安がほとんどない。4020SDは安定しているものの、厚紙や特殊用紙を使うときに少し慎重さが必要になる。HPの4003dwは標準的な用紙では問題ないが、連続印刷時に紙がわずかに反って出てくることがある。実際に冊子を作るような場面では、4620 SDWの安定感が「安心して任せられる」という気持ちにつながる。

ネットワーク接続の快適さも重要なポイントだ。4620 SDWはWi-Fi接続が安定しており、モバイルからの印刷も途切れなく行える。4020SDは有線接続での信頼性は高いが、無線環境ではやや不安定さを感じることがある。HPの4003dwはモバイルプリント機能が充実しているが、接続開始時に少し待たされることがある。実際にスマートフォンから急ぎで印刷したい場面では、4620 SDWの即応性が便利で、業務のスピードを落とさない。

デザイン面でも印象が異なる。4620 SDWは角がシャープで、オフィスに置いたときに「新しい機種」という存在感を放つ。4020SDは落ち着いた外観で、長年使われてきた安心感がある。HPの4003dwはコンパクトで家庭用にも馴染む雰囲気だが、ビジネス用途では少し軽い印象を受ける。実際にオフィスに設置すると、4620 SDWは「業務用としての信頼感」を空間に与えてくれる。

長時間の利用で気づくのは、4620 SDWの安定した排熱設計だ。印刷を続けても本体が過度に熱を持たず、触れても安心できる温度に保たれている。4020SDはやや熱を持ちやすく、夏場には気になることがある。HPの4003dwは小型ゆえに熱がこもりやすく、連続印刷後に本体が温かくなることがある。実際に大量印刷を行うと、4620 SDWの冷静な動作は「頼れる相棒」という印象を強める。

総合的に見て、ApeosPrint 4620 SDWは単なるスペックの数字以上に、日常の業務で体感できる快適さを提供してくれる。印字の鮮明さ、スピード、静音性、操作性、ネットワークの安定感、すべてが「使っていて気持ちが良い」という感覚につながる。4020SDやHP 4003dwもそれぞれの強みを持っているが、実際に触れてみると4620 SDWの完成度は一段上で、仕事の流れを止めない力を持っている。毎日の業務を支える道具として、安心して選べる存在だと感じた。

まとめ

最も良かったのはApeosPrint 4620 SDW。46枚/分のキレ味ある速さと1200dpiの線の締まりが、帳票や説明書の輪郭をくっきり残す。手差しの厚紙対応で230g/m²まで安定して通し、封筒・はがきの現場対応力も高い。窓口横に置けるコンパクトさなのに拡張で大容量給紙まで伸びる柔軟性も、運用を長く支えてくれる手応え。セキュリティープリントを含む安心設計は「忙しい時間帯でも取り違えない」安心感に直結する。自分のワークフローでは、急ぐ日ほどこの機の“迷いのなさ”が効いた
Fujifilm Wako Chemicals
+2
。次点はHP LaserJet Pro 4003dw。40枚/分のスピードは事務用途で十分に速く、HP Smartのモバイル連携が軽快。標準250枚+拡張で最大900枚まで盛れる構成は、配布物が増える時期に頼れる。ファーストプリントが速く、席から指示してすぐ取りに行けるテンポの良さも魅力。総じて“使いこなしやすい万能選手”という印象で、少人数オフィスの主力に置きやすい
日本HP
。3位はApeosPort Print 4020SD。40枚/分で基本がしっかり、Wi‑Fi含む接続性、前面で触れる運用性は堅実。現場に置いても困らない素直さがあり、標準と拡張トレイの使い分けで帳票運用にも対応できた。ただ、最新機の4620 SDWと交代で使うと、線の精細感と追い込みの速さで一歩譲る場面が増える。安定志向なら選ぶ価値は十分
Fujifilm Wako Chemicals
。ベストチョイスはApeosPrint 4620 SDW。スピード、画質、紙種対応、拡張性、安心のバランスが最も高く、忙しさの波を超えて“結果を出す”プリンタだった。HP 4003dwはモバイル連携重視のオフィスにすすめたい、4020SDは堅実な置き替え用途に合う。

引用

https://www.fujifilm.com/fb/product/printer_m/aprt_4620sdw

https://www.fujifilm.com/fb/product/printer_m/app_4020sd

https://jp.ext.hp.com/printers/business-printers/laserjet/pro_4003dw/


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